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物書き玖美のありゃりゃな生活

もの書き・編集者・校正者の、本と言葉と日常。ペンネームは亡き祖母の名前。

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マイNGワードその9「癒し」 (2010.05.13)
久々のマイNGワード。

小説家、長野まゆみさんのブログ「Kotorico」、今日の記事のタイトルは「憩い」
これによると、長野さんは「癒し」という言葉が嫌いらしい。
なので他の語に置き換えており、「憩い」を使うことが多い、とのことだった。

私も「癒し」という言葉が嫌いである。
その理由を辞書に求めてみた。
私の電子辞書には『広辞苑』と『明鏡』の2種類の国語辞典が入っている。
「癒し」をひいてみると、『広辞苑』には載っていなかった。
「癒す」という動詞の名詞化だから不思議はない。

だが『明鏡』には載っていた。それで私がこの語を嫌いな理由がわかった。

いやし【癒やし】〔名〕
病気・傷などを治すこと。また、心の悩みや不安を解消すること。
「―の音楽」「―系(=心のやすらぐような事柄や人)」


用例に「癒(や)し系」まで載っていたにも驚いたが、それはまあいい。
では、長野さんが置き換えることの多いという「憩い」はどうだろう。同じ『明鏡』による。

いこい【憩い】〔名〕
憩うこと。休息。
「―のひととき」


また、私が置き換えることの多い「和み」はというと、「和む」を参照とあって

なごむ【和む】〔自五〕
気持ちがおだやかになって落ち着く。なごやかになる。
「音楽を聴くと心が―」


「和む」は自動詞。「憩う」をひいてみると、これも自動詞。
「癒す」は他動詞。つまり「〜を癒す」の形で使う。

「和む」「憩う」は常に自分が主語であり、自分自身で完結している。
さらに「和む」「憩う」の出発点はマイナスとは限らない。
休息をとるのは必ずしも疲れ果てているときとは限らないし、なごやかになるのはその前が険悪だったからとも限らない。

対して「癒す」は「何か(誰か)が」「何か(誰か)を」とならなければいけない。
「癒しだよね」というときに癒されているのは自分だから、
「何か(誰か)が、自分を」癒すのに他ならない。
他力本願なのである。

さらに言えば、「癒される」ためには傷ついていたり、不安に陥っていたりしなくてはならない。
出発点がすでにマイナスなのである。

「傷ついたり不安になったりしている私」を、「他者」が「癒す」。
そこには自らの傷をなめて治す猫のような、自分で自分を治そう、癒そうとする姿勢はみられない。
自分は何もせずでーんと座って「さあ癒して」という態度である。

ああ、これが嫌いなんだな。

前にも書いたように、私は自己憐憫が大嫌い。
傷ついた自分をひけらかす態度も嫌いだし、あまつさえその傷を他者に治してもらおうなんて不遜な態度はさらに嫌い。
他者は他者であって、あなたのお抱え医者ではない。
他者に触れて気持ちがおだやかになったり、不安が解消したりするのは、あなた自身の問題なのである。



ところで、上のブログで長野さんが「憩い」としているのは、小鳥の形の付箋。
実は私にも、「和み」の付箋がある。

いっぱい(笑)

上段真ん中はメモ。あとは付箋。
下段左は昨年、ハワイに行ったとき買ったものだが、他は同じ古い友人にもらったもの。

使えないんだよなあ……もったいなくて……(この場合の「もったいない」はノーベル賞を獲得したような意味ではない)。
せめて大きい仕事が終わったときにちょっとだけ使って、贅沢な気分を味わいたいが、
貧乏性ゆえ結局眺めて「和む」だけになるような気がする。激しくする。
| コトバのモンダイ | 18:19 | comments(2) | trackbacks(0)
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| - | 18:19 | - | -
コメント
私も以前より“癒やし”という言葉の持つ特有の曖昧さが嫌いです。
非常に都合のよい部分だけラクをしたい、一方的に甘えて気持ちよくなりたいだけという意味合いを感じ、言葉から弱さしか感じ取れません。
特に“男性から女性に対して”このワードが用いられる時、その男性の精神性を高く見ることが何故か出来なくなる。
一言
「お前も頑張れよー」
と思ってしまうワードナンバーワンなのでした。
| カミーユ | 2010/05/22 12:57 PM |
カミーユさん

コメントありがとうございます。
激しく同意です!
他人に一方的に求めるだけのワードですよね。
男性が「あの子癒し系だよね」と言うとき
イコール「あの子は甘えさせてくれそう、ママになってくれそう」というように聞こえてしまいます。
それこそ、「お前もがんばれよ」ですね(笑)。
| 玖美 | 2010/05/23 3:59 PM |









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